カローナ姫の黒猫
「了解、カローナ。その言葉、忘れるなよ?」
ドキン。
不意に名前を呼ばれ、思わず胸が高鳴った。
「近々、迎えに行く」
「え…ちょっと!?」
最後にルイはそれだけ言い残すと、窓からヒラリと飛び出し、外の世界へと消えていく。
ルイの姿が見えなくなった頃。
「な、なに…今の……?ね、猫!そうよ、相手は猫なんだから。それに近々迎えにって…どういうこと?」
ルイの口調があまりにも真剣でカローナは、不覚にも胸が高鳴るのを感じていた。
未だにドキドキと高鳴るの心臓。
カローナは、自分に言い聞かせるようにそう呟いたのだった。