カローナ姫の黒猫

…なんてお返事をくださるのかしら?


流石に急だし断られるのはわかっているわ。

でも、私の気持ちだけでも受け止めてもらえたら――。


そんな淡い期待を胸に魔女は王子様からの答えを待っていました。


しかし、王子様は魔女の顔を見た瞬間。


『は?顔見てから出直してこいよ、ブス』


それだけ告げ、足早にその場を去ってしまったのです。


『…ひどいわ。あんな言い方あんまりじゃない』


魔女はその言葉にひどく傷つき、心に大きな傷を負いました。


けれど、そんなひどい言葉をかけられてもなお、魔女は一途にも王子様への思いをたちきれなかったのです。
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