カローナ姫の黒猫
「…っ、シルヴィ様。お久しぶりですわ」
カローナは、ひきつりながらもなんとか笑みを浮かべ、シルヴィに挨拶を述べる。
「いや、本当にお美しい!私になんてカローナ姫は勿体ないくらいです」
…そう思うなら結婚やめてほしいんだけど。
そう喉まで出かかった言葉をどうにか飲み込み、カローナは無理やり口角をひきあげた。
「お褒めいただき、ありがとうございます…シルヴィ様も今夜は一段と素敵です…」
心にもないことを言うのは、気分が悪いものだと思わずにはいられない。