カローナ姫の黒猫
*第2章
*いざ、オルテカ国へ
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「ほら、さっさと支度してください。仮にも僕の義姉(あね)になるんですから、もっとキビキビ動いてほしいものです」
皮肉ったような口調でバカにするレインに、カローナはイライラを隠し切れない。
「…っそんな風に言わなくてもいいじゃない」
ポツリと、聞こえないくらいの声量で軽い非難をこめて呟くも。
「…へぇ、口を動かす暇があったら手を動かしてくださいよ。義姉さん?」
レインには聞こえていたようで、皮肉がさらに上乗せで返ってくるものだから、とうとうカローナは黙々と荷物を仕分ける作業に集中することにした。
地獄耳め…。
唯一の反抗として、心の中でレインに対して言い放ち、小さく軽く肩を落とす。