カローナ姫の黒猫


『…いたわ!愛しの王子様…』


そして、魔女が城で見つけたのは、彼女がかつて愛した王子様の“孫”でした。


しかし、あまりにも若い頃の王子様に似ていたので魔女は本人だと思い込んでしまったのです。


『…誰だ、お前は…』


突然現れた魔女に、王子様の孫は、目を見開きました。


『王子様…お久しぶりです。あの日のこと覚えていますか?私、随分美しくなりました。今なら私のこと好きになってくれますか…?』


『何を…言ってるんだ…?そんなことよりここをどこだと思ってるんだ…城へ勝手に侵入するとは』


魔女の必死な問いかけに、事情がわからない王子様の孫は城への不法侵入に対して、彼女に軽蔑の視線を投げかけたのです。

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