カローナ姫の黒猫


「そ、そういえばレインたちは、2人兄弟なの?私は一人っ子だから羨ましいわ」


とにかく話題を変えようと、カローナは曖昧に微笑みつつもレインにそんなことを尋ねてみる。

「いえ、妹がいます。確か今年で6歳ですかね」

「へぇ!妹いるんだ。会うのすっごく楽しみだわ」
  

一人っ子のカローナにとって、兄弟がいることだって羨ましいのにまさか妹までいるとは思わなくて目を見張る。


彼女は、オルテカ国に行く楽しみが1つ増えたと喜んでいた。


そんなカローナを横目に、レインは。


「…まぁ、ロコにはあまり期待しないほうがいいですけどね」


彼女に聞こえないくらいの小声でポツリと呟いたのだった。



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