カローナ姫の黒猫
すると。
「カローナお姉さまって呼んでもいいですか…?」
キュン。
コテンと、首を傾げ尋ねてくる美少女の姿にすでにメロメロのカローナは。
「うん、もちろんよ…!」
二つ返事でそう答えていた。
「私もロコって呼んでくださいね。カローナお姉さま」
はぅ…!もうっ、なんてかわいいの…!
思わず、ロコちゃんを抱き締めたくなる衝動に駆られるも、初対面なのだからと、なんとか気持ちをグッと押さえる。
あぁ、こんな妹欲しかったのよね…。
ルイとレインを羨ましく思いながらも、ロコちゃんにニコニコと笑みを向けていると。
「あれ、レイン兄様?そういえばルイ兄様は…?」
「あぁ、ルイ兄さんなら先に戻ってるはずだけど…だから、僕にカローナのこと任せたわけだし」
ロコちゃんの問いかけにレインは、キョロキョロと辺りを見回した。
「…おい、ここだよ」
少し機嫌が悪そうな声が上のほうから聞こえてきて、全員の注目が集まる。