カローナ姫の黒猫
「あ、ルイ兄様〜」
名前を呼び、黒猫のルイに手を振るロコちゃんの姿に癒やされる。
それにしても…。
「ルイは何でそんなとこにいんの…?」
思わずカローナがこぼした言葉にルイは、ピクリと反応を示した。
ルイがいたのは、高い木の枝先。
まぁ、今は猫の姿だし…高いところ好きなのかもしれないわね。
一人で納得しかけていた彼女に向かって。
「カローナ、言っとくけど…ここにいたのは、馬車で来るお前らを探しやすいからだからな」
ジロリと軽く睨みながらルイは、そう呟いた。