カローナ姫の黒猫


「わかった、わかった。そんなことより、早く降りてきなよ、兄さん」

レインが呆れたように声をかけるとルイは、器用に枝を使って降りてくる。


そして、ストンと軽やかに地面に着地した。


「ルイ兄様お久しぶりです」


「あぁ、ロコも元気そうだな」


ルイがそう言う声は優しくて、どうやらロコちゃんには、結構甘いように見えた。


ふ〜ん…意外とシスコンとかかしら…?

でも、ロコちゃんくらい可愛いなら気持ちはわかるわね…!

と、内心そんなことを考えてルイを見つめていると。


パチッ。


ルイと視線が絡んだ。


「カローナも今日は長旅で疲れただろう?部屋でゆっくりしとくといい」


「うん。ありがとう」


「…カローナの部屋は…」


「兄様…!カローナお姉さまは、私がお部屋まで案内するわ!お姉さま、こっちよ」


はいっ!と元気よく手を上げたロコは、そのままカローナの手を掴み城内へと引っ張っる。

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