カローナ姫の黒猫
ルイは、一瞬、考え込むような仕草をしたが、すぐに。
「あぁ、じゃあ、ロコ…。カローナを部屋まで連れていってやってくれ」
と優しい口調で言い放つ。
「まかせて、お兄さま!さ、カローナお姉さま、行きましょ?」
「わかったわ」
ロコに向かってコクリと頷いたカローナは。
「じゃあ、ルイ、レイン。またあとで」
2人にそれだけ告げると、城の方へ走っていくロコのあとを慌てて着いていったのだった。
2人の姿が見えなくことを確認したレインはルイに向かって口を開く。
「それで…兄さん、これからどうするつもりです?カローナに本当のこと言えないのが辛いとこですけど…」
ハァ…と、ため息をこぼすレインに対して。
「しょうがないだろう。それが呪いなんだから…まずはカローナを俺に完璧に惚れさせる。話はそれからだ」
シレッと、ルイはそう答えた。