カローナ姫の黒猫
ユージスに至っては、ただジーッとカローナに見つめるだけ。
それがなんだか値踏みされているようで居心地が悪かった。
「一応…そうみたいですね」
と、嘘をつくのも良くないと曖昧に答えカローナに対して。
「あのルイが妃を…」
信じられないと言った様子でユージスは呟く。
その言葉が妙に引っかかり。
「…ルイに妃がいたら何かおかしかしら?」
ユージスに向かってカローナはそう尋ねた。
「い、いえ。おかしくなんか…!ね、ユージス様」
何故かナチが慌てる様子に彼女は眉を潜める。
何でそんなに慌ててるのかしら…?
そう思ったカローナが、今度はナチに問いかけようとした時。
「ルイが妃なんてポジションに特定の女を置くなんて…正直、信じられないな」
ユージスが徐ろにそんなことを言い出した。