カローナ姫の黒猫
ユージスの言葉にカローナは大きく目を見開いた。
「ユージスがノスタルア王国の第一王子…?なんで…こんなところに…」
しかもお供もナチだけって…。
驚くカローナに気分を良くしたのかクスクスと微笑みながらユージスは答える。
「今日はルイに用事があってね。会えないっていうのを無視してやって来たわけだけど…ルイの妃に会えたのなら多少は収穫あったかな」
そう言って、ニコリと笑みを浮かべるユージスからは、さっきまでの威圧感みたいなものはなくなっていた。
さっきの感覚…何だったの?
カローナが首をひねっていると。
「カローナ義姉さん、はやく自分の部屋に行かないと…夜、兄さんがパーティーするって言ってましたよ?」
「…レイン」
にこやかな笑みを浮かべたレインが歩いてこちらにやって来る姿が見える。