カローナ姫の黒猫
「…あれ?ユージスさんも来てたんですか?」
レインがさも今気づきましたとはがりに少し目を細めてそう呟いた。
「久しぶり。レイン、君のお兄さんに会いに来たんだけど、いる?」
「兄さんなら今忙しいみたいですよ?会いたいなら約束してからでお願いしますね?」
レインも、ユージスもお互い微笑んではいるが目は笑っていないような気がしてカローナは苦笑いを浮かべる。
「僕が言っても会ってくれないんだよ、レインから伝えてくれないか?」
「…そんなに会いたいんだったら、ユージスさんも今日のパーティーに出席しますか?僕から兄さんに伝えてあげますよ」
「へぇ…?それは嬉しいな。じゃあ、お構い無く参加させてもらう」
「…そうですか。きっと兄さんも喜びます」
あまりにも棒読みなレインの様子に、今度はナチが冷や冷やしたような表情を浮かべていたのだった。