カローナ姫の黒猫
「そうね…。確かにちょっと何をかんがえているかよくわからない感じはしたかも…」
先ほどのユージスとのことを思い起こしながらカローナは呟く。
「アイツとは同い年なんだ。だから、昔からよく知ってはいるんだけど…」
「呪いのことは話してないのね?」
「あぁ」と頷くルイの背中をカローナは優しく撫でた。
「大丈夫。私もルイの呪いが解ける方法を探すのにちゃんと協力するわ。私の恩人なんだから」
ニコッと可愛らしく微笑むカローナに対して。
「…あぁ、ありがとう。よろしく頼むよ」
…ルイ?
若干元気がない彼の様子が引っかかる。
それは今まで見たことがないルイの様子で…正直戸惑いを隠せなかった。
しかし、次の瞬間には。
「あ、カローナ。パーティーは日没後からだからな。遅れんなよ?じゃあまた後で」
と、普段通りの口調でそう告げると、何事もなかっかのように部屋の窓から外へと出ていってしまう。
カローナはそんなルイの態度に疑問を感じたが、その時はさほど気にとめず流してしまったのだった。