Secret Fetishism【SS集】
昼休みに資料室に入って行く彼を見付けて後を追い、気付かれないように後ろ手で鍵を掛けた。


「ねぇ、いつもあたしの事見てるよね?」


話す時以外は交わる事の無い視線が重なる。
いつもの優しい笑顔。


だけど、その奥に潜む物は、いつもと違っていた。


「そう、見てたよ」

「どうして?」


緩められていた綺麗な瞳の奥が、情欲を放つ。


いつも危険な熱を孕んでいた視線の意図に、気付いていなかった訳が無いけど。
真っ直ぐに交わったそれに、とてつもなく背中が粟立った――。



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