Secret Fetishism【SS集】
軋むベッドの上。
乱れたシーツと、甘い吐息。
「ほら、もっと鳴けよ」
耳元に落とされた声に、涙を零して体を震わせる。
彼の思惑通りに嬌声を上げるあたしに、彼が口元を緩めた。
滲む視界でも綺麗に映る彼の姿。
女なんかよりもずっと“美しい”って言葉が似合う、憎らしいくらい秀麗な男。
「……もっとだ」
あたしの体を器用に翻(ヒルガエ)し、彼はあたしの内(ナカ)に自身を埋めた。
「やっ、もっ……む、り……っ!」
とっくに限界を越えているあたしは、涙をボロボロと零して訴える。
だけど、それが無意味だと言う事はもう知っていた。