Secret Fetishism【SS集】
鳴いて、啼いて、泣いて。
体を襲う快楽を分散させようと、必死に首を横に振って。
それでも彼が満足するまでは、決して許して貰えない。

あたしも、彼も、シーツも。
その全てが乱れ切ってやっと解放された時には、目を開けておく事すら出来なかった。



どれくらいの時間が経ったんだろう――。

微睡む意識の中、何とか目を開ける。


頭の下には、彼の右腕。


彼に抱かれた後は、決まってこの体勢で目を覚ます。

あたしが意識を手放した後、彼はあたしに腕枕をしてから眠るみたい。


あたしは、これが好き。
果てしない快楽を与えてくれるセックスよりも、ずっとずっと好き――。



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