Secret Fetishism【SS集】
「好きなのは、俺の声だけじゃないよね?」

確信めいた口調は、どこか誘惑的。

いつもは落ち着きのある低い声が、今日はやけに艶(ナマ)めかしい。
それはきっと、彼があたしが弱いそれを武器に攻めて来るせい。


「素直になれば、お望み通りにしてあげるよ?」

何とも魅力的な誘いに、あたしは体を震わせる。


耳元を犯すように、名前を呼んで欲しい。
あたしをその腕の中に閉じ込めて、飽きるくらいに囁いて欲しい――。



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