Secret Fetishism【SS集】


極上の唇――。



それが、彼を見た時の最初の印象だった。


大人しくて、特別目立ったりはしていない。
だけど、仕事はそつ無く熟すし、周りとも上手く打ち解けている。

女子社員からは“可も無く不可も無い草食系男子”と評価されている彼を見る目が、自分(アタシ)だけは全然違った。


無駄の無いライン。
薄過ぎず、かと言って決して分厚くは無い。
綺麗なシワが刻まれたそこは、きっちりと手入れされた女性の肌のような美しさを醸し出していた。


正に、極上の唇。


それ以外に似合う言葉なんて無い。



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