Secret Fetishism【SS集】
ネクタイとスーツ。
これって、最高の武器だと思う。
それを好きな人が身に着けているだけで、簡単に欲情してしまう。


「ねぇ……」

「俺、もう行くわ」


彼の首に手を回したあたしにしれっと言い放った後、彼はさっさと出勤してしまった。

残されたあたしは、燻り始めていた体を持て余して虚しくなる。


いつもならキスをして、そのままベッドに雪崩(ナダレ)込んで、飛び切り甘い朝を過ごすのに。

不満を抱えたまま出勤し、半ば自棄になりながら仕事を熟した。



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