Secret Fetishism【SS集】
オフィスの一角でパソコンを見つめる端正な表情の中で、眉だけはずっと寄せられたまま。

その小さなシワが和らぐと、すかさず淹れ立てのコーヒーを差し出した。


「お疲れ様です、課長」

「あぁ、ありがとう。いつもタイミングがイイな」


こっそり見ている事がバレたのかと、体が強張る。
咄嗟に平静を装ったあたしに、意地悪な笑みが向けられた。


「勘違いかと思ってたけど、そうでもないらしいな」


ククッと漏らされた笑いに、頬がカァッと熱くなる。


「今夜、定時に上がれるか?」


一瞬の沈黙の後、迷う事無く頷いていた。



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