ダメ人間まっしぐら
父の仕事は朝が早く、私が目覚めると冷めきった朝食がテーブルの上に置いてあった。


量が多く、油モノもあるし、食べられるモノならなんでもありの朝食。


学校に行く前に一人でそれを食べる。
(兄や祖父は別の時間帯に食べていた)


……常識なことかもだけど、食後に歯を磨く習慣はうちの家族にはなかった。


朝食がカレーなら、学校でカレーの臭いを私は周りに放つだろう。


「誰かカレー食べてきただろう!」

そんな声が周りから聞こえることもあった。


私の家族は歯がボロボロだね。

歯を磨く習慣が身に付いていないなら、弱っていくのに、歯医者にも行かない。


当たり前なことが出来ていない私。


バカだから出来ていないのか、教えてくれる人がいないからか、さてどっちでしょう。


大人になった脳(知識)で、あの頃(子供)に戻れるなら、もっと上手く一人で生きていけたのに……そんなことを思ってしまうこともあった。


過去を振り返って悔やんでもやり直しはきかないけど、きかなくてもそれでもやり直したい気持ちは止められない。


リセット出来る人生があるなら、望んだ終わり方が出来るかな?



それとも……



人間は不運や幸運に操られ、未練の残る終わり方をするのだろうか。

< 16 / 19 >

この作品をシェア

pagetop