ダメ人間まっしぐら
産まれてしまったからには生きるしかない。


赤ん坊が死を考えるとは思えないし……


思ってなくても死が近付いてくることもある。





私が二歳の頃、生死をさ迷ったことがある。


記憶はまったくないけど、その時に負った傷跡が顔と頭に残っている。


理由ははっきりとは知らない。


……兄が私をベランダから落としたってことしか。

悪運が強いのか私は高熱と怪我に勝ってしまった。


小学生のとき傷跡の原因を父から聞いても、理由は兄から私は聞き出せなかった。



―――怖いから



大人になった今でも私は、兄が怖いし好きにはなれない。


目が合うだけで、酷い目に合わされたことを思い出してしまうから、私は見たくないし会いたくもない。


歳が離れていたから?

女は私だけだから?



未だにあの人……兄の心(思考)は理解出来ないし知るのも怖い。
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