sweet milk【完】
からめてからめてからめて、
くちびるを離すと糸がひいた。
秋雄という男の人に夢中で、
キスをするという行為に夢中の
二十一歳には、
運命の赤い糸というのは、
現実には透明で光ってて
ねばりけのある
この糸の事なんではないかと思えた。
「芽衣たちってもう
二年くらいつき合ってんでしょ?
手ぇ出してこないなんておかしーよ」
「うーん・・・でも、仲いいよ。」
「えー、そんならそれはいいけどさぁ
…ね、怒んない?」
「なに?」
「・・・・・・彼氏、
ホモとかじゃないよね???」
昨夜、久しぶりにかかってきた
高校の友達との会話を思い出して
少し笑った。
「…何で笑ってんの?」
秋雄の目、笑うと波状になる。
やわらかな目。