sweet milk【完】
idol

私には中学の頃、
千香という親友がいた。

千香はよく職員室に呼び出されたり

彼氏やその仲間と夜中遊んでいて
補導されたりするような子だった。

毎日元気に学校に来て
いつもニコニコ笑っている、
明るくてかわいい人気者だった。

けれど、特に目立たない
クラスメートだった私の事を

「芽衣ってなんか雰囲気がさぁ

落ち着いててかっこいいよね」

なんて言いながら、
いつも話しかけに来てくれた。 


千香や千香のまわりに集まっている
女友達は、

同い年とは思えないくらい
きれいで女っぽい子達でばかりだった。

みんな同じ学校の先輩や高校生や
大学生の彼氏がいて、

とっくに初体験も済ませている子
ばかりだった。


その中で私が一番奥手だと言われて、
時々皆にからかわれたりもしていたけれど

そういう時に決まって千香は

「ちがーうの!

芽衣はねぇ、奥手とかじゃないの。

私達みたいに軽くないんだよ。

ちゃんとしてるの、真面目なの!」

ニコニコと私をかばってくれた。

私の事を一番に理解してくれていた。

だから私は千香にだけは、
何でも話せた。

憧れている先輩ができた時も、
真っ先に千香に相談した。
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