sweet milk【完】
first love
私と秋雄が知り合ったのは
バイト先の
ファミリーレストランだった。
新人スタッフの私の
教育係をしてくれたのが
秋雄だった。
年下の私に
いつまで経っても
敬語を使ってくる。
親切だけれど
ちょっと変わったお兄さん。
それが、私の秋雄に対する
最初の印象だった。
「秋雄は私の事、
どんなふうに思ってたの?」
コップを割ったりキッチンの床で
滑って転んだ勢いで
ストッキングを破いたり。
「失敗ばっかり
してたもんね私。
秋雄はいつも
何も言わなかったけど…
実は、呆れてた?」
「そんな事もないけど。
頑張ってたし、
よく働いてたじゃん」
「じゃあ、
どんなふに思ってた?」
つき合い始めて
間もない頃に聞いた、
秋雄の私に対する印象。
だから余計にびっくりした。
私は何も言ってないのに。
これからだって、
そのつもりだったのに。