ハートフル・アーツ
武神流総本山


幸大が御堂の中へ入ってすぐのことだった

「今日もここで待つのかい?」

幸明が言う

「はい。」

なずなが当然と言わんばかりに答える



「…。

誰かいるのかい?」

幸明が後ろを振り返る


「おや…さすがじゃね、幸明殿。」

老師が言う


「…あなたは確か…」


「幸大の師匠がなぜここに?」

なずなが言う

「幸大君の師匠?」

幸明が言う

「うむ。

いかにも。」

「そうか、彼の成長が早かったのもあなたのお陰かな?」

幸明が言う

「いや…一重に彼の才能の無さ、であろうな。」

老師が言う



「ふっ…さすがは三拳聖と名高い、心の使い手…劉・華仙殿。

彼の才能の無さに気づいていたとは。」


幸明が言う


「ほぉ…武神に名を覚えて頂いておるとは。」


「あの…二人は知り合いなんですか?」


なずなが言う


「まぁ…互いに有名人なだけさ。」

幸明が言う


「会ったのは初めてじゃがな。」



「ちなみに、彼は三拳聖の一人。


三拳聖は心技体の3つをそれぞれ一つずつ極めた達人たちだ。


彼は心の使い手。


で…わざわざここに来た用はなんですか?」

幸明が言う
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