ハートフル・アーツ
「はっはっは。

無理はいけないよ、当主なんだから動けなくなった方がマズイんじゃないかな?」


「幸明様…」

壮一郎は目の前に現れた幸明を見る


「それから…当主だと堂々と名乗るなら、こんな奴らに簡単にやられないように鍛え直したらどうだい?」


「…はい。

面目ない次第で…」

壮一郎が言う


「なーんてね。

彼らもかなりの鍛練を積んだんだろう。

それに才能もありそうだ。


普通の相手じゃサシでも勝てないだろうね。

それが3人も。


それに武神流の門下生が経験したことのない武器と複数の敵のコンビネーション。

門下生は歯がたたなかっただろう。」


幸明が言う


「くっくっく。


それがわかってんなら引っ込んでな!!」


なずなを踏みつける足にさらに体重をかける


「ぐっ…」

なずなが顔を歪める


「貴様!!」

壮一郎が睨む




「まぁまぁ…。」

幸明が言う


「当主。

当主が実の娘を守りたいと言うのはわかる。

そして無理をしてでも守りきるだろう。



だけど、ボロボロな体にこれ以上負荷をかけるのは武術家としてオススメはできない。」


「しかし!」

壮一郎が言う



「…。

さて、長話をするなんて僕らしくなかった。


だけど、時間稼ぎは十分にできたんじゃないかな。」

幸明が呟く

「開祖様…?」
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