ハートフル・アーツ
「お前…俺のお宝を!!」

「その通り!!

つまり、万が一鉄串が中心を外れたらDVDに傷が付いちゃうなぁ。


それに…壊れてないか皆で上映会でも開くかい?」


幸明が楽しそうに言う


「そんなの無理に決まってんだろう!?」


「さぁ…やってみよう。」


幸明は幸大に鉄串を渡すと距離を取り、両手でDVDの上下を押さえるように持つ


「はぁ…しゃーねぇ!」

幸大が鉄串を持って立ち上がる

「さて、そこで考えるんだ。


この瞬間にも君からこのDVDの中心まで流れる『流れ』があることを。



1の修行で君はゆっくり、じっくりと意識しながら動くことで自分の中の『流れ』を知った。


2の修行で固体だけではなく全てのモノに流れがあると知り、それを捉えることができた。


3の修行で君は流れをより細かく感じ適切かつ的確な位置に流れを流すことができた。

4の修行で君は人間の五感以外でも流れを感じられるようになった。




今の君なら…この中心に鉄串を通すのは0距離でやるのと変わらないくらい簡単なことじゃないかな?」


幸明が笑う
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