ハートフル・アーツ
「露天風呂とは…」

壮一郎が言う


「当主はここに来るのが初めてだったね。


ここは僕のお気に入りスポットの一つ、『仙湯』。


元々、気が集まる土地である武神流総本山にさらに気脈に沿って温泉を各地から引いてきて集めた言わばパワースポットさ。」


幸明が自慢気に語る



「おぉ…」

女性用脱衣場の入口が開け放たれなずなたちが現れた


「あらあら…総本山にこんな場所が…?」

椿が言う

「ちょっと!

いやらしい目で見んな!!」

すみれが幸大に言う


「な!?

仕方ないだろ…

お前らがそんな格好をしてるから…」

幸大がチラチラとなずなとすみれを見ながら言う


「ふ、風呂だからな…

仕方なかろう…」


なずなが身体に湯をかけながら言う


「いや…まぁ…そうなんだけどさ。」




チャポン…


6人が温泉に浸かる


「む…」

「う…」

なずなとすみれが一瞬顔を歪める


「どうした?」

幸大が言う

「いや…怪我をした場所が少し疼いたんだ。」

なずなが言う

「そうか。

俺も最初に入った時は痛かったな。」

幸大が言う

「そう言えばあんた、前にも仙湯に入ったって言ってたわね。

確か…」

「俺が武神流の継承者になった時に…な。


すみれにボコボコにされて…自分の使った技に耐えきれなくて…


ボロボロだったな…あの時は。」

幸大が言う
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