ハートフル・アーツ
「今では無傷で私たちが歯も立たない相手を倒してしまうのだから…」

なずなが微笑んで幸大を見つめる


「その割りにはあんた、お腹が出てるわよね。」

すみれがポヨンと膨らんだ幸大の腹部を見て言う


「まぁ…身体を鍛えてるわけじゃないからな。」

幸大が言う

「普通はあんなに強いなら筋肉があって然るべきよ。」

すみれが言う


「彼は何度も言うように戦闘の才能が無いからね。」

幸明が言う


「つまり、他の者は戦闘を繰り返せば…

戦えばその分筋肉も付き、強くなる。

が、幸大君は戦闘を繰り返しても強くならない…と?」

なずなが言う


「いや、違うさ。


戦闘の才能があるものは自分が成長できるくらいに力を使う。


例えるなら、筋トレの時に限界までやるのと同じ。


だが…今日の彼は限界まで力を引き出さず、相手を倒せる最低限の力しか使わなかった。



これは、武を鍛えることで力の使い方を理解していることを意味する。




つまり、幸大君も今日みたいな相手だから強くならないだけで強敵と戦えば成長する。



ただ、筋トレしたからと言って翌日にムキムキになるモノはいない。


ただ、武は鍛えてすぐに成長し力になる。」

幸明が言う
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