ハートフル・アーツ
「結局…どういうこと?」

すみれが言う


「筋肉=強い。

それを覆すのが武と言うことだ。


実際、筋肉ムキムキのボディービルダーに殴られるよりも幸大君の一撃の方が強い。」

幸明が言う

「つまり、武は筋肉を使わずに強くなれるモノだと?」

すみれが言う


「そうだ。」

幸明が言う

「でも…戦闘の才能が無いってどういうこと?」

すみれが言う

「戦闘の才能があるものは武を鍛えてしまえば確かに強くなる。

が…それだけだ。



しかし、幸大君を見てごらん?

武を鍛えていたら、ダーツが上手くなった。

それだけじゃない。

彼は今なら勉強をしてもスポーツをしても普通の人以上だ。」

幸明が言う

「まさか…こいつが?」

すみれが言う


「そうだろ?

幸大君?」

幸明が言う

「いや…やってみたこと無いけど…」

幸大が言う


「おや、そうかい?


君はきっとこの二人よりも水泳や潜水がうまいだろ?」

「まぁ…修行の時にできたけど…

他のスポーツはやってみないと…」

幸大が言う


「あの…幸大には武の才能があるのだろうか?」

なずなが言う


「実際のところ…

武は才能とは無関係なんだ。



武術の才能という点では幸大君は並かな。」

「武と武術はちがうの?」

すみれが言う


「ああ。

例えば、

生きると言うのは行動そのものを言うだろ?


だが…生き方は、どう生きるかは才能だ。



武とは才能ではないが…武の使い方は才能。

そういうことさ。」

幸明が言う
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