ハートフル・アーツ
「部活がボクシングだから仕方ない。」


クリスが言う

「うちのボクシング部はヘッドギアもしないのか?」

幸大が言う

「何が言いたい?」

クリスが言う


「いや、べつに俺はボクシングにもボクシング部にも詳しくはないからな。

ただ、顔をアザだらけにするってことは防具がないのか、防具が役に立たないくらいのハードパンチャーがいるか、だと思ってな。」

幸大が言う


「かもしれないな。


なぁ…。」

「ん?」

「僕に構わずに…ジニーに力を貸してやってくれないか?」

クリスがやっと幸大の眼を見る


「まぁ…可愛い女性を笑顔にするのはカッコいい男の仕事だからな。


お前も部活を頑張れよ、クリス。」


「ああ。」
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