ハートフル・アーツ
放課後

プール


「と言うわけで部長、良いですか?」

ジニーが言う


「まぁ、顧問の許可もあるし…もう来ちゃってるから無下には帰せないわ。


見学は良いけど邪魔しないでね?

新人戦を控えてる1年はもちろん、他にも皆大会を控えてるから。」

部長が言う


「はい。」



幸大となずなは離れて見学を開始する


「50メートルプールってけっこうでかいな。」

幸大が言う

「ああ。

それにしても、制服でプールサイドにいるのは違和感があるな。」

なずなが言う





二人はしばらく見ていた


「おや、彼女はかなり早いな。」

なずなが言う


「ん?」

幸大は違和感を覚えて立ち上がる

「幸大?」

「まずい!」

ダッ!!

幸大は走り出した


その間にも泳いでいた生徒は徐々に失速し…やがては推進力はなくその場でもがくだけだった


トプンッ…


他の生徒が異変に気付いた時に幸大はブレザーだけ脱いで制服のまま入水していた


「な!?

彼…早い…」

部長が呟く


「大丈夫か!?」

幸大は女生徒を肩に担いだ

「げほっ…げほっ!!」


「しばらくそのままでいてくれ。」


スーッ…

幸大は静かに素早くプールサイドへと泳ぎ、女生徒を下ろした



「あ、ありがと。」

女生徒は少し照れながら言う
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