ハートフル・アーツ

｢…。

私も許嫁というだけで幸大を手に入れれると思っていた節があった。

明日からもよろしくお願いします。｣

なずなが言う


｢私はこのバカとは無関係だけどね。｣

すみれが言う




｢ところで…その、ツバメは今でも俺のことを、その、えーと、好き…なの？｣



｢…。

こ・う・ちゃん？


あなたは今までの会話の何を聞いてたのかしら？｣

ギリギリ…

ツバメは後ろから抱き締めている形から首を腕で絞める形へと移行した


｢これでわからないなら…幸大の鈍感は一度矯正するべきだな。｣

なずなが言う


｢ちなみに…

幸ちゃんは…私のことは好き？｣

ツバメが言う


｢く、苦しい…

その…あ、あの…


婚約するくらいには、好き…です。｣

ガクッ…

幸大は気絶した




｢…。

さて、部屋に戻るか。｣

なずなが言う

｢そうですわね。｣

すみれも言う

｢私ももう寝ます。｣

ツバメが言う

｢明日も稽古だからな。｣

なずなが言う


｢なずなさん…


舞姫流当主として貴女に堂々と対しますが…


私個人としては貴女の恋敵であることお忘れなきよう。｣


ツバメが立ち去った


｢しかと心得た。｣

なずなが呟く


｢…。

ツバメって、ジニーやシェリーのことを知らないのよね…


もしバレたら…

ま、こいつがどうなっても知らないけどね？｣

そう言いながらすみれは気絶した幸大を布団に寝かせ布団をかけて部屋をあとにした