ハートフル・アーツ

三日後


朝

朝食を摂りながら談笑する

｢なずなさん、すみれさんは上達も早いですしもうじき修行は終わるでしょう。

ただ…｣

ツバメが幸大を見る

｢うっ…。

全然上達しなくてごめん。｣

幸大が言う

｢あ、いえ…幸ちゃんが謝ることなんてないんです！

むしろ、その…まだゆっくりでも。


それに舞姫流をしっかり覚えるなら内弟子になって寝食をもっと一緒にしたりして…｣


バンッ!!

なずなが勢いよく箸をテーブルに置いた


｢ごちそうさま。｣

なずなの声に怒気が籠っていた

｢お粗末様です。｣

ツバメは気にしないかのように振る舞う



｢さっそく稽古に行きたいのだが？｣

なずなが言う

｢ええ。｣

ツバメが言う

｢お姉さま、ちょっと待ってください！｣


すみれが食事の速度を早める



｢俺も修行場に行くかな…｣

幸大が立ち上がる




｢姉様…来客です。｣

ヒバリが言う

｢こんな朝早くに？｣

ツバメが言う


｢例の来春の行事の…｣


｢…。

わかりました。


皆さんは先に稽古を始めててください。｣

ツバメが立ち去った




｢外…雨でも降りそうな黒い雲ですね。｣


すみれが言う


｢うむ…雲行きが怪しいな。｣

なずなが空を見て言う