ハートフル・アーツ
「服部…何で?」


「忍は黙して任務を全うするまで。」


そう言うと口を強く結び斬りかかる


「クソッ…

女性は極力殴りたくないし、ましてやそれが服部ならなおさら…」


幸大が防御に徹しながら言う


「僕は小鷹よりも強いよ。」


あかねが言う



「クッ…


王槍!!」


ドシュンッ!


「な!?

変わり身の術!?」


「僕は忍者なんだよ。」



姿は無いがあかねの声がする


「昔、忍者ごっこをやったよな?

お前から手裏剣の投げ方とかも教わったな。

あれは…」



「そう、忍者ごっこじゃなくて本物の技術。




あの頃は忍者の修行が嫌で…小鷹とやる忍者ごっこ、あの時が一番楽しくて、一番幸せだった。




今はもう遊びじゃない。


ごめん…僕は小鷹を殺さないといけないんだ。」




「そうか。」

幸大は目を閉じた


「虚空。」

フッ…


幸大は見えないあかねの存在を捉える


「王槌!」


ドゴッ!!

「くっ!?」

あかねは腕でガードする




「おとなしく…死んではくれないよね…」

あかねが言う




「そりゃ…痛いのはごめんだ。」

幸大が言う


「痛みを感じる前に一瞬で…」


「待て。


見回りが来る。

今日は退くぞ。」


いきなり忍装束の男が現れた


「はい、父上。」



ザッ!!

二人は窓から飛び出していった



「ヤバッ…見回りが来るなら俺も逃げないと!」

幸大も教室を立ち去った




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