ハートフル・アーツ
翌日


武神流総本山



「貴様が私に用とは…珍しいな。」

壮一郎が言う


「はい、聞きたいことがあって。」


「娘のこと以外なら何でも答えてやろう。」

壮一郎がお茶を啜りながら言う



「…。

武神流に敵対する相手に忍者は居ますか?」



「…。


ふははははは!!

面白いな。

今時、忍者はおらん。


貴様も武の世界を少し知ったところで…忍者が出てくるとは笑えるぞ。」


壮一郎が笑う


「本当に…居ないんですね?」


「…。

なぜだ?」

壮一郎が言う



「それは…その…」


幸大が言い淀む


「質問を変えよう。


そもそも…なぜそのようなことを聞くのだ?」

壮一郎が言う



「俺は知っての通り弱いから…

何の考えもなしに戦ったり、ましてや人を殴るなんて…それが女性ならなおさら…何も考えずに戦えるほど強くないんです!



だから…


だから、拳を握る意味が無きゃ…戦えないから…」




「ズズズッ…」

壮一郎がお茶を啜る



「詳しくは知らん。


だが…忍者を名乗り武神流を快く思わない連中はいる。




服部一族。」


「服部!?

俺が知りたいのはそいつらのことなんだ!!」


幸大が身を乗り出す
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