ハートフル・アーツ
「師匠…助けて…」


あずさは鮫に食べられかけてた


口の中に頭が入っており、噛まれないように左右の手で鮫の上下の顎を必死で抑えている



「この態勢だと力がうまく入らないッス。

でも、もっと口を開かないと頭は抜けないッス。


しかも抜く時に態勢が変わるのでまた力が入りきらずに食べられちゃうッス!」


「てか、なんで食われそうになってんだよ…」

幸大が言う


「私も何か力になりたかったッス!

未熟な自分が悔しいッス!」



「しゃーねぇーなぁ…


行くぞ?


武神流我術流流し…重身流流し!」


むにゅん…


「ひゃっ!?


し、師匠!?

なんで私の胸を!?」




ぐぃっ!


あずさは幸大の行動に動揺するとともに先程まで苦戦していた鮫の口を簡単にこじ開けた



「頭が抜けたッス!」


「そのまま、ぶん殴れ!」


「了解ッス!


確か…獣王槌!」

ドンッッッ!

幸大が放ったほどではないが重い一撃で鮫が気絶した



「これで鮫は全滅だな。」

「幸大…いつまで、他人の胸を触っているんだ!」


なずなが怒る


「わ、悪い…」


「あ…。

師匠の手が離れたらさっきまで溢れてた体の力が抜けたッス。」



あずさが呟いた





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