ハートフル・アーツ
「ただ…各地の大富豪が大量に武器を購入している。

しかも、購入された武器はどこかに運ばれている。


複雑な移送経路や手段、莫大な金銭が動くことで私たちの一族でも掴みきれていない。」


服部が言う


「大量の武器…」

「大富豪たちが購入した武器が手元ではなくどこかに運ばれているが…その量はわかっているだけでもアメリカやロシアの軍のおよそ18倍。」



「18倍!?

想像もつかねぇよ…」

幸大が言う



「そもそも、アメリカやロシアの公表してる武器保有量も探りきれないほど厳重だから確実ではないが…



それから、大富豪たちがどこかの誰かに異常な寄付をしている。

寄付金の額はこれも推定だが…日本の国家予算以上だ。」


「その寄付金の1割でもくれないかな…」

幸大が言う



「まぁ…つまり、とんでもないことが起きようとしているってわけだ。」

幸明が言う


「何か起きたら…君の力を貸してほしい。」

服部が言う

「それが…なずなやあかねたち…皆に危害を加えるならそれは頼まれることなく。」

幸大が言う

「ありがとう。

ただ…《奈落天上の城》は直に動く。


猶予はない…と思うよ。

もし、我々でどうにもできなければ…あかねを、娘をよろしくお願いします。」


服部が立ち上がり頭を下げた


「いや、だから…。

任せてください。」

幸大が言う


「…君にはこれを託すよ。」

幸明が折り畳まれた紙を渡す

「僕たちが居なくなったら…その紙を見てくれ。」


幸明がそう言うと4人が立ち去った





「いったい…」

幸大が紙を見る


《伝票》


「あいつら、俺におごらせやがった!」










「幸大君には伝票を任せたし、城のことも伝えた。」

幸明が言う


「我々はどこまでできるかのぉ…」

老師が言う

「できれば、我々だけで城を落としたいですが…」


服部が空を見上げる


「城が姿を見せれば…日本も外国もそちらの味方に着く、と言う噂、か。」

袴田が言う


「世界を相手に僕たちはどれだけ戦えるかな?」

幸明が呟いた





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