ハートフル・アーツ

三日後


昼休み


中庭

｢はぁ…なずなはあれからずっと俺を無視するし…｣


幸大が落ち込む


｢幸大、暗いよ！｣

ヴァージニアがやってくる

｢なんだ、アーバンス兄妹か。｣


｢中庭で何をやってるの？｣

｢ちょっと考え事。

お前らは？｣


｢購買の人間が居なくなるのを待っている。｣


人で溢れる購買に目をやりながらクリストファーが言う

｢そんなんじゃ大したパンも残らないだろ…｣

幸大が言う


｢私たちは購買に不馴れだから結局最後まで欲しいパンに辿り着けないもん。｣


ヴァージニアが言う


｢校内の半数の生徒が一ヶ所に流れ込むんだ、容易ではないし…結局得られないのなら人混みに揉まれるよりも最後まで待つのがスマートと言うものだ。｣

クリストファーが言う



｢一ヶ所に…流れ込む。



だったら、俺が買ってきてやろうか？｣

幸大が言う

｢ホント!?｣

ヴァージニアが目を輝かせながら言う


｢ふんっ。

貴様に頼るなどバカらしい。｣


クリストファーが言う

｢私、フルーツパンとフルーツサンドが良い！｣


ヴァージニアが６００円を幸大に渡す

｢何だそりゃ？｣

｢女子に人気でフルーツが一杯のパンなんだって！｣


ヴァージニアが言う