ハートフル・アーツ
「でも…」

なずなが不安そうに言う


「いや…まぁ…無理にデートしろと言ってるわけじゃないさ。


ただ…月曜日からは彼の新しい修行が始まる。

今回はなずなちゃんの同行はダメ。


だから会う時間も少なくなるし、数日会えないってこともあるかも知れない。

だからちょっとした気遣いのつもりだったんだ。」

幸明が言う


「と言うことは…その間は御姉様とあのバカが会わない!


素晴らしい修行ね!!」

すみれが言う


「いや…まったく会えないわけじゃないし。


修行の最中は会えないだけだから登校も下校も一緒に今まで通り会えるよ…多分。」

幸明が言う

「ちっ…」

すみれが舌打ちする



「それよりも、この前のあの外人の子が気になるね。」

幸明が意地悪そうな笑いを浮かべた


「ヴァージニアのことか?」

なずなが言う


「あの子、幸大君に気があるみたいだし積極的な子みたいだ。



もしかしたら今頃は家に押し掛けてデートに連れ出してる頃かもな〜」

幸明が言う


「な!?

そんなことあるわけないだろ!!」

なずなが言う

「ない…と言う確率よりも、ある…と言う確率の方が高いんじゃないかい?



それに、幸大君は女の子への耐性もないし、押しに弱そうだ。


もし本当に外人さんが押し掛けて来たら間違いなくデートに行っちゃうだろうなぁ〜」

幸明が言う


「否定できないが…

くっ!!


ちょっと様子を見てくるだけだからな!!」


「あ…御姉様!?」



「いやぁ、青春だね〜」

幸明が言う
< 62 / 510 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop