ハートフル・アーツ
小鷹家



「幸大!」


なずなが幸大の部屋に入る


「うぉっ!?

びっくりした…」

幸大はベッドに入りゲームをしていた


「こんな天気の良い日にゲームとは…」

なずなが溜め息を吐く


「なずなこそどうしたんだよ?」


「私のことはいい。

幸大は休みの日にゲーム以外に何かすることはないのか?」

なずなが言う


「…。

無いな。」


「な!?


出掛けたり、友達と遊んだり、色々とあるだろう?」


「出掛ける用事もないし、御存知の通り友達も居ないからなぁ…


休みは家でゴロゴロするしかないな。」


「う…。

幸大は、少しは私をデートに誘うとか言う気になったりはしないのか?」


なずなが顔を赤らめて見つめる


「え…あ…」

幸大はゲームの電源を切り、ベッドから出る


「あの…なずなが良ければ今からでも行く?

まだ昼前だし、時間もあるから…」

幸大が言う

「い、いや…今はダメだ。」

なずなが言う


「え…?」

「その…さっきまですみれと稽古をしてて…汗臭いまま、ここに来てしまったからな。」

「そうか?

あまり気にならないけど…」

幸大が鼻を近づける



「な!?

近寄るな、バカーっ!!」


ドゴッ!!

なずなの攻撃が幸大の鼻っ柱を打つ

「ぐぉぉぉ…」

幸大がベッドの上で痛みに悶える
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