12時の鐘が鳴る頃に…
【XⅣ】
「すみません。原口くんは…?」
「雅貴様なら、既に会場入りしています」
ドレスを身に纏い、学校を出る。すると、そこに待っていたのは一台の黒塗りのベンツ。
後部座席の入り口には運転手と思しき人が立っていて、私は促されるままにその車の中へと座らされていた。
これも、原口くんが用意したの?彼って、一体何者なの?
こんな立派なドレスを用意して、10人ものメイクさんが居て、そしてベンツ。
どう考えても、庶民が用意出来るものじゃない。