12時の鐘が鳴る頃に…
それからは屋敷を抜け出しあの店に通うようになった。
そして、知ったんだ。あいつが俺のダンスパーティーの相手だと。
学校と店とでは、真逆の格好のあいつに驚いていないと言ったら嘘になる。
学校では俺が原口の家の者だと思われないように、顔を隠し目立たないように過ごしていた。
あえて、偽名などは使わなかった。
俺の名前はその業界では周知のものだったが、まさかあの俺が原口雅貴本人だとは結び付く訳がないと分かっていたからな。