12時の鐘が鳴る頃に…
【XⅥ】

誰も居ないロビーに佇む私。

原口くんのお世話係兼運転手さんは合図があると言ってたけど、それがどんな合図なのか教えてはくれなかった。

一体、どんな合図なのか私には分からない。

本当にここに居れば大丈夫なのか。合図に気付くことが出来るのか。


「どうしよう…」


いつもと違いすぎる格好も落ち着かない原因なのかもしれない。

赤いドレス。背中がスースーする。

やっぱり、落ち着かない。

< 137 / 166 >

この作品をシェア

pagetop