12時の鐘が鳴る頃に…
自問自答を繰り返すこと数秒。
覚悟を決めた私は会場となるダンスホールへと続く扉を開き、中に入った。
絨毯が敷かれた廊下を真っ直ぐに歩いていく。
心臓がドキドキと鳴っている。
もう少しで着いてしまう。ちゃんと、原口くんは居るよね?
貴方だけだから。私を安心させてくれるのは。
一人でダンスホールの中に取り残されたら、どうしたらいいのか分からなくなるから。
だから、ちゃんと居てよ。お願いだから。