12時の鐘が鳴る頃に…
【XⅦ】
ダンスホールを抜け、ロビーへと戻って来た私。
その隣には何故か彼。原口くんの姿。
いえ、原口くんというよりも、マサキさんと言ったほうが表現が合っています。
ロビーに置いてあるソファへと腰を沈める。
そして、見下ろすように原口くんが私の前に立った。
「上出来でしたよ」
沈黙が辺りを包む中、先に口を開いたのは原口くんでした。