12時の鐘が鳴る頃に…
さっき、咄嗟に出た疑問の言葉に答えてくれたことから、それだけは分かっている。
それに、マサキさんもマサキさんだ。
原口くんとマサキさんが同一人物だとしても、彼が彼なのには変わりない。
「ああ」
微かに口角を上げる。そんな彼の笑みに胸が疼くのを感じた。
どうしたんだろう、私は…
原口くんは私の姿をまじまじと見ている。
「似合っているな」
「…っあ、ありがとうございます?」
「何で、そんな訝しげなんだよ」
そう言って、再び笑う彼。