12時の鐘が鳴る頃に…

鐘が…鳴った。その音を合図に原口くんが私の手を取る。

突然のことに一瞬、肩が揺れる。

だけど、どこか安心するその手を私は無意識に握り返していた。

そうされるとは思っていなかったのか、原口くんが目を見開いた。

それでも、彼は手を離すなんてことはしなくて。


「行くぞ」


そして、再びダンスホールへと戻ったのです。

< 150 / 166 >

この作品をシェア

pagetop